釣り堀で釣れたものは
最近はすっかりご無沙汰ですが、担当は昔は釣りが好きで、休みの日などによく早起きして、近くの相模川に出かけたものです。また、昔は近所に何軒か釣り堀があって、何度も行きました。釣堀でかかるのは鮒や鯉、金魚などで、金魚は持ち帰って家で飼っていました。
さて、釣り堀でとんでもない物が釣れた、という事件がありました。
昭和35年(1960)3月6日のこと、東京・立川市にある釣り堀でヘラブナ釣り大会が開催されていました。そこに参加していた29歳の男性が糸を垂れていたところ、当たりが来たので竿を上げた。これがとても重い。ヘラブナは大きな魚ですが、それにしても非常に重い引きです。
「これは大物がかかったか」
そう思った男性は、バラさないように慎重に竿を引きました。すると、水面に見えてきたのは、何やら黒っぽいもの。そして、すぐにヘラブナではないことがわかりました。
男性の針にかかったものは、何と人間の水死体だったのです。会場は大騒ぎになったことでしょう。すぐに警察が駆けつける事態となりました。
遺体の身元はすぐにわかりました。世田谷区に住む46歳の男性で、自宅を出てから行方不明になっていました。自殺か事故のいずれかでしょう。それにしても、釣り上げた男性も、その場にいた参加者も、さぞ驚いたことでしょう。
「読売新聞」昭和35年3月6日(夕刊)
担当も、川や海に釣りに行った時には、テグスなどはその場に捨てずに持ち帰りました。最低限のマナーですね。