soshiki--ex’s diary

コラムみたいな記事やみんなが気になることなど書いてます。

震災の時と同じ場所で

本日は東日本大震災のことを話題にしている方も多いことでしょう。担当は、当時と同じ場所でパソコンのキーボードを叩いています。

 

あの時は、ゆれ始めたかと思うと、次第に激しくなり、そして停電。担当は思わず、「例の、来るべき地震が来たか」と思いました。

 

さて、担当が震災の後で体験したもののなかで、気になったことのひとつが「デマ」です。「震災に乗じて、加工食品などを買い占めている者がいる」といううわさが飛び交いました。

 

たしかに、スーパーやコンビニなどの棚がすかすかになっているのを、何度も見ました。そして、レジには長蛇の列。

 

でも、担当は「ちょっと変だな」と思いました。たしかに、カップめんや缶詰、トイレットペーパーなどはなくなっていましたが、ほかの商品はそうでもない。野菜などの生鮮品は、たっぷり並んでいる。また、店舗によって、加工品もたくさんあるお店も見かけました。

 

それに、買占めをしているような光景を「実際に見た」という情報がまったくない。そういう証言もないし、ネットでも見かけない。流れてくるのは、商品がない、お店の棚が空っぽという話ばかりです。

 

そこで、担当は情報を集め始めました。ガソリン節約のための歩いて周辺の商業施設を回り、実際に様子を見るとともに、従業員さんたちからも話を聞く。それから、知り合いに片っ端から電話やメールで状況を聞きました。さらに、流通関係や物流関係などの知り合いや、または広報担当にも連絡して、できる限り情報を集めました。

 

そして、「買占め行為が行われている可能性は低い」と思いました。

 

今日、コンビにでもスーパーでもドラッグストアでも、商品がふんだんに並んでいるので、常に商品が供給されていると思いがちです。でも、実際にはそうではない。「買占め」と指摘されているような商品は、ほとんどが週に数回しか供給されていないものでした。

 

また、震災によって物流も乱れていました。通常なら入荷する商品が届かないケースがあちらこちらで発生していました。担当が話を聞いた物流拠点も、相当混乱していました。

 

その他、いろいろな要素から考えた結果、品不足は買占めではなく、供給のイレギュラーと、震災による消費者の購買が原因ではないかと思いました。商品の入荷が乱れていることと、震災で売れてしまったため。セールなどで一般消費者がいつもよく多く買うことは、よくありますね。でも、そんなのは買占めとは言わない。せいぜい「買いだめ」です。

 

でも、担当が驚いたのはここからです。

 

そうやって調べた結果を知り合いなどに話しても、信じる者はまったくいなかったことです。担当が信頼する、ある優秀な人物ですら、「ハア? 買占めはあるに決まっているだろ!」と、完全にバカにした態度でした。別の知り合いは、「買占めはあるよ。だって、駅前のコンビニで商品が何もなかった」という有様です。

 

デマに取り付かれた人というのは、冷静さを完全に失っていると、つくづく実感しました。

 

ほかにも、ニュースで「ガソリンスタンドでクルマの列。ガソリンを買うのに2時間」なんていう報道をみました。これもデマです。まず、給油時間なんてとても短いのですから、待ったとしてもせいぜい30分から1時間。それから、品薄のガソリンがスタンドにはそんなにたくさんあったとは考えられません。1時間くらいで売り切れて、変えなかった人は帰ったはずです。これも、担当がいろいろなガソリンスタンドを、何日も観察して得た考えです。

 

インターネットの普及で、いろいろな「情報」が流れるようになりましたが、実際に現場を見てみると、「これは違う」というものが少なくありませんね。