カップ麺のTVCM
2月に起きた事件といえば、担当がすぐ思い出すのが、昭和47年(1972)の浅間山荘事件です。
いきなり重たい話題になりましたが、この事件で有名になったものがあります。前年9月に発売された、日清食品の「カップヌードル」。カップ麺の元祖ですね。機動隊員たちが食べているのを見た新聞記者たちが目をつけて、ニュースなどでも報じられて広まったとのこと。このあたりの詳しいことは、産経新聞社刊『戦後史開封』という本に詳しく載っています。
発売当時、日清食品は駅前で即売会を催すなど、カップヌードルの販売促進に力を入れていたようですが、まったく関係のない事件報道で有名になったわけですから、何がどう影響するのかわからないものです。
以後、カップ麺は急速に普及していくわけですが、担当の記憶によみがえるのは昔のカップ麺のTVCMです。
はっきり言って、もう「それは違うだろう」というものでした。
その代表が、カップうどんでした。CMの画像に写ったカップうどんは、どう見ても生めん。あの、縮れた、平べったい、カップうどん独特の麺ではなかった。その、太くて丸い、つるんとしたうどんを、おいしそうに食べるCMがテレビで放映されていたわけです。
しかも、それは特定の商品や特定のメーカーに限ったことではなく、複数の商品やメーカーが同じようなことをやっていました。まだ10代の少年だった担当は、実際のカップうどんを見て「CMで見たのと違う」と、何度も思ったことです。
今なら大騒ぎになるのではと思いますが、当時はそんなことが当たり前でした。そんな時代もあった、ということであります。